本庄東高等学校

教科アドバイス

英語

大学入学共通テストは100%、各大学の個別学力検査は70~80%、教科書からの出題となる。つまり教科書レベルの問題を制する者は、受験を制する者となる。そのことを忘れずに、日々の授業を大事に受けてほしいと思う。
英語は4技能をバランスよく身につけることを目標に、授業内において読解力の養成や文法知識の習得に留まらず、スピーチやプレゼンテーション、英作文などの活動を行っている。また、スタディサプリEnglishは自主学習で4技能の力を向上させる教材のため、積極的に取り組んでほしい。
東高校の代名詞でのある朝の小テストはタブレットを使用して行い、毎日英単語を覚える習慣だけでなく、学習習慣の確立の基礎となる。約2000語の単語を3年生になってから覚えるのでは到底受験には間に合わない。積み重ねが大事だとこの単語の小テストで気づくはずである。さらに、小テストで使用する『英単語ターゲット1900』や『Vintage』は、3年間継続して学習することで、単なるテキストから、受験時には自信を与えてくれる貴重なものとなる。
最後に、英語は言語のため、できるだけ多く触れ、自ら学んだ英語を活用する機会を設けることで、英語運用能力を高めることを目指してほしい。

数学

教科書は学習の基礎であり、大学入試でもこれをマスターすることが必要条件である。いくつかの大学を除けば、教科書の内容が身に付いたら十分に合格する力がつくのである。実際、教科書の章末問題等が入試に出題される例が少なくない。また教科書と共に、『チャート式』シリーズ、問題集にも挑戦してみよう。そのとき必ず教科書をそばにおいて、照らし合わせながら進めるとよい。教科書の復習もでき、実に効果的である。次に各学年における留意点を紹介する。

<第1学年>

  1. 授業の予習、復習を欠かさず行い、授業中心の学習習慣を身につける。
  2. 定期考査や模擬試験を真剣に受け、解き直しまでしっかり行う。

<第2学年>

  1. 家庭学習で演習量を増やす。
  2. 定期考査や模擬試験を真剣に受け、解き直しまでしっかり行う。

<第3学年>

  1. 大学入試を視野に入れ、苦手な分野を重点的に克服していく。
  2. 入試を意識することで応用に走りがちだが、基本を忘れず、理解を深める。

どの学年においても最も大切なことは「必ず繰り返すこと」。一度やって理解できたとしても、それは身についたことにはならない。「分かった」のと「できる」ということは違う。何度も繰り返して初めて「できる」ようになるのだ。最初に自分で解けなかった問題に印をつけておいて、二回目以降時間がなければ、それだけをやればよい。二回目は最初の半分以下の時間で、三回目はさらに短い時間で仕上がる。効果は倍増するはずだ。

焦らず休まず毎日数学に取り組み、断じて途中で止めないこと。これらのことを心がけ、計画的に実行すれば必ずや数学は君の味方になってくれるはずだ。頑張れ、東高生徒諸君!(数学科)

国語

国語を勉強していく上で大切な要素は大きく三つある。それは、(1)言葉の知識を蓄えること、(2)文章の読み方を確立すること、(3)設問の答え方に慣れること、である。一年生ではこの(1)と(2)を、二、三年生では(2)、(3)を主として身につけることを目標とする。

現代文に関しての(1)とは語彙力とも呼ばれるもので、漢字、熟語、慣用句などの知識や、評論に頻出される用語に対する知識を身につけることである。本校の特色の一つでもある社説学習、漢字の小テストや漢字検定を大いに活用しながら、自発的に言葉に対する意識を深めていくことが語彙力向上への近道となるだろう。(2)に関しては、文章を論理的に筋道立てて読み、文章構造を把握できるようにすることが目標となる。現代文とは感覚で読み解くものではなく、論理的に読むことで回答を本文中より導き出すものである。こうした読み方を身につけるためには、語や文の中の細かい点(具体的には指示語・接続語や同義・対立の表現など)に着目することが重要となる。そうすると語と語のつながり、文と文のつながり、さらには文章全体の大きなつながりが見えるようになるのである。文章全体の構造が把握できれば重要な箇所が「見える」ようになり、全体の要旨も「わかる」ようになる。この読むための「型」を授業時間の中で身につけ、繰り返し作品に当たり、一人で問いと向き合う際にも「見える」、そして「わかる」という状態を作り上げてもらいたい。

古文での(1)、(2)とは一年生で学習する用言・助詞・助動詞・敬語などの古典文法をしっかりと身につけること、そして重要古語を暗記することとなる。古典を読み解くためには、まずは語のレベルでの理解が必要となる。それは、その語と語がつながることによって全体の解釈が決定づけられるからである。助動詞に関しては、その上の語とのつながりで意味が大きく変わることもある。古文が「解ける」という状態になるには、まずは全体をきちんと訳せることが前提となる。二、三年生での(3)へのステップアップのためにも、一年生での文法事項の徹底を心がけてもらいたい。

漢文での(1)とは漢文特有の語法(句法)や漢字そのものの用字法を覚えること、そして文中の語と語の位置関係が文意を決めるため、その訓読の仕方で(2)を固めることが基本となる。この(1)、(2)を着実に習得すれば、漢文を古文として訓読し、文意を解釈することが容易となる。漢文は古文の知識の応用ともなる。古典を学ぶ際にはまずは語彙・文法等の基礎固めを目標とし、日々努力をしてもらいたい。

国語は全科目の基礎ともなるべき重要な科目である。まずは一語一語に目を向け、全体には何が書かれているのか、そこから何を答えなければいけないのかを明確に見出せるようにしたい。そしてまた、入試科目としての学習に終始するのではなく、多くの評論や文学作品に触れる中で教養を身につけ、その様々な考え方や作品世界から自身の内面の豊かさを育む機会としてくれることを願っている。(国語科)

世界史

歴史科目は(世界史・日本史ともに共通することだが)、「暗記」と「流れをつかむこと」の両方が大切である。暗記だけしていれば大丈夫と思っているなら、まずはその考えを捨てるところから臨まねばならない。流れ・背景を無視して、暗記だけをしても何の役にも立たない。逆に、流れをつかむことのみに意識を取られ、基本的な用語・語句を暗記していなければ、基本問題でさえ得点することができない。両方が大事であると捉えよう。

世界史を選択することについて。「漢字が苦手だから、漢字がたくさん出る日本史よりも、カタカナが多い世界史を選択しよう」などといった消極的な選択はしないでほしい。漢字が苦手でも日本史が好きなら日本史を選ぶべきであり、またその苦手は自身の興味関心によって必ず克服できるものである、と考えよう。世界史の教科書では、各国の言語による歴史用語・地名がカナカナで表記されているため、見慣れない・聞きなれないカタカナ用語が頻出するし、中国文化圏の範囲では習ったことのない、日本史以上に難しい漢字(例「王羲之」「四六駢儷体」等)が多く存在する。世界史・日本史のどちらが「楽」ということはない。得手不得手で判断せず、必ず自身の興味関心において選択しよう。「世界史が好きだ」という者が世界史を選んでほしい。

大学入試の傾向と今後の展望に鑑み、世界史学習において肝要な点を以下に挙げる。

  1. 日本史と比較すると、文字史料問題よりは地図を使った出題が多い。日ごろから教科書や資料集の地図を眺めて、国の領域や重要都市の場所などの知識を獲得しておきたい。
  2. 近年は日本史に限らず、世界史でも史料を活用する問題が多くなる傾向にある。資料集巻末に重要な出来事に関する史料が掲載されているので、地図同様、日ごろから目を通しておく必要がある。
  3. 各文明圏・各国単独の「縦」の歴史だけでなく、文明圏どうし・国どうしの軋轢・交流・相互作用などを含む「横」のつながりが重視されている。とりわけ、経済面や文化面の交流に焦点を当てた出題が近年多くなっている。さらに、同じ時代・地域内でも階級・性別・年齢等の差異(「位相」の差)が存在することにも注目したい。「縦」の歴史(時間軸)、「横」のつながり(空間軸)、階級等の差異(位相軸)の3つの軸を意識することで、はじめて立体的な歴史像を描くことが可能になるのである。
  4. 今まで以上に、あるテーマについて考えを深めたり、グループで論じたり、また発表したりする、いわゆるアクティブラーニング(AL)の機会が増えるが、その際に重要なのは「授業で学習した知識を道具(ツール)として使う」ということ。通常の授業で得られる知識は抜かりなく獲得しておこう。ドラえもんよろしく、便利道具を多く備えた者が有利なのは言うまでもない。

以上いくつか述べたが、周囲に流されることなく自らの意思で「世界史」を選択する者を地歴科は待っている。君たちも先生たちも共に成長しながら、叡智が詰まった人類のストーリーや現代につながる課題なども考察しつつ、「世界史」を楽しもう!

日本史

膨大な知識を学ぶという側面が強いため、「日本史は暗記もの」とよく言われるが、この評価は必ずしも当たっていない。特に、センター試験に代わる新テストにおいては、単純な暗記では対応できない、「歴史的な思考力を問う」問題の比率が高まる。知識を整理し、体系づけ、さらに歴史学的に考える力を養うためには、どうすればよいのか。以下に、そのポイントを挙げる。

  1. 時代の特色をつかむ。歴史学は、時間軸を通じての人間社会の変化を考察する学問である。前の時代と後の時代を比較して、何がどう変わったのかに常に注意しながら、学習を進めよう。
  2. 因果関係を考える。教科書を読む際も、「なぜ○○は○○になったのか」といった原因(歴史的背景)をとらえる努力をする。
  3. 資料集を活用する。入試においても、文献史料はもちろん、地図・絵画・系図・グラフ・表など、複数の異なる資料を組み合わせて考察させる問題が多く出題されるようになっている。各資料から何が読み取れるのかを考えることが大切である。

現代日本の社会・政治・経済・文化は、決して過去と切り離して考えることはできない。日本史は現代日本を深く理解し、未来における我々の行動の指針を得るためにも有用な科目である。「暗記」は必要だが、それが全てではないのである。

物理・物理基礎

私たちのまわりの自然を形作っているのは、大きく、生命的なものと非生命的なものの二つに分けることができる。物理学は、非生命的な自然現象の成り立ちと、その理由を物の理(道理)にしたがって解き明かそうとする学問である。具体的には、星・太陽・地球などから、空気・石・金属・ミクロな粒子などの物質、さらには光・電波・電気・磁気・時間といった非物質的なものまで、身のまわりの現象がその領域となる。

高校での物理は上記の現象から導かれた法則を解説し、問題集を用いて入試問題に慣れていくことを目指す。覚えなければならない基本式こそ少ないが、それを用いて新たな式を自ら導く知恵が必要なのでテスト前に公式丸暗記では対応できない。

まず2年次では、授業に集中して各項目の理解を深められるようにしてもらいたい。欠席するとその部分からつまづき、先に進むことができなくなるので、きちんとノートをまとめておき内容の理解に努めてほしい。教科書が最良の参考書であるので、理解できないときに熟読し、それでも理解できないときは教科担当に質問する方法がよいであろう。何においても受動的ではなく能動的な性格を要する。

3年次になって基礎力がない状態で慌てて入試問題に取り掛かるのでは無理がある。まずは、内容の理解に努めてもらいたい。大学入試用のテクニックは、授業で使用する問題集を丁寧に行うことで解き方をパターン化することが必要である。そのため夏休み終了までに基本例題・基本問題を3回やり遂げること。これにより2学期以降の赤本対策も取り掛かり易くなるだろう。

物理は一朝一夕にして成果が出る科目ではなく、普段からの小さな努力の積み重ねが大切で、忍耐も必要となる。一歩一歩の着実な歩みが、ある時、きづいたら360度見渡せる素晴らしい展望台にいた、そんな達成感を味わえることを願っている。(理科)

化学・化学基礎

化学は物質の変化について探求していく学問です。これから高校化学を学んでいくうえでの学習アドバイスを2点挙げます。

まず、むやみな暗記学習はやめましょう。“とりあえず覚えておく”学習は、最初は楽かもしれません。しかし、化学で学んだ知識はあくまでも思考していくうえでの基礎知識です。その培った知識を様々な場面に応用していくことが本来の学習です。配布される問題集を取り組むときも、「なぜこの答えなのか」という理由にこだわりながら、問題演習に取り組みましょう。

次に、化学を楽しみながら学びましょう。化学の授業では実験実習を行っていきます。実験では、授業で紹介された現象だけでなく、グラフや数値を自分の手で再現していきましょう。まれに、教科書には載ってない不思議な現象を発見できることもあります。ぜひ、積極的に実習に取り組み、自ら探求する力を身につけていきましょう。

生物・生物基礎

生物という科目は、字のとおり「いきもの」について学習する科目です。「いきもの」について学習するといっても、地球上には150万種類以上の動物や植物が生活しています。それらすべてについて学習する事は不可能に近いものがあります。

では、どのようなことを学習するのかといえば、それらすべての生物に共通したことと、生物の多様性について学習していくことなります。何も共通点がないようにみえますが、目に見えないバクテリアでも、巨大なクジラでも、体をつくっている基本単位は細胞です。この細胞が生活の最小単位となって生物は生きているのです。ヒトの体をつくっている組織は上皮・結合・筋・神経の4種類ですが、それらも細胞から成り立っています。この細胞は生活するために栄養源となるものを取り入れ、エネルギーを作り出し、また成長したり、子孫を残すなどの生命活動をおこなっています。

これらのことはすべての生物に共通することで、これらの共通性と、生物の多様性についてを学習するのが、生物です。生物は暗記科目と思われがちですが、それだけでは入試問題を解くことはできません。基本的事項を基にしっかりとした考察ができるようにしてもらいたいと考えます。

授業の中で、教科書の内容をしっかりと把握し、家庭学習で問題集を解答することによりそのなかのポイントを理解する。この繰り返しをおこなうことで実力につながります。ただ、短時間で仕上げようとすることだけは止めてください。少しずつで良いですから毎日繰り返すようにしてください。(理科)

地学基礎

2011年3月11日に起きた東日本大震災以来、地震のしくみや津波発生のメカニズムなど地質学に関する知識や知恵は一部の研究者だけが持っておればよいというものではなく、一般の大衆も正しい知識を持つべきとの認識が広まり、状況が一変した。それまでも中学校や高等学校で学ぶ程度の「地学」は形式的にはほぼ全国民が修めてはいたが、そのモチベーションたるや「受験」でとりあえず必要だから、必死で語句を覚えよう!という表面的なものであった。しかし事ここに至っては、正しい知識を持つことによって、報道や書籍などに氾濫する「不安を煽りすぎる、真偽不明な」情報に惑わされること無く、現在の地球はどのようになっているのか?そしてこれからどのようになってゆくのか?またこの地球で暮らしているわれわれはどのように生きるべきなのか?という根源的な思考をすべきであろう。

現在の地質学の抱えている問題は、天文学、惑星学の分野から始まって、物理学、古生物学、化学などいろいろな学問分野に関連した一種の総合科学として取り扱うことができる。従ってこの授業では、宇宙、地球の誕生という時間的・空間的にもマクロな観点からの考察に始まって、太陽系における惑星の特性と地球との関係、地球における気圏・水圏の発生過程と生物の進化の関連、さらには岩石・鉱物の生成条件など、自然現象を多角的に捉えて考えてみる。その間に、元素の発生・造山運動・プレートテクトニクス・鉱床の形成・環境問題などのテーマも交えていく。2単位の授業ではあるが、授業日には家庭学習で演習を行い、頭を使って積極的に授業に臨んで頂きたい。将来どの分野に進むかに関わらず、新しく且つ正しい地球観を身につけよう。